球界で話題の論文著者が語る 「年俸と順位と観客数の関係」
■お金=勝利じゃ面白くない
――巨人のように金満球団が常に勝ち、観客を集めれば、さらに金が儲かる。これでは他球団は太刀打ちできない。
「データを分析してわかったのですが、優勝したチームはその年の年俸が最低でも30億円前後というケースが多かった。補強がすべて悪いとは言いません。その球団のファンを喜ばせるためには必要でしょう。ただ、スポーツは、勝者が誰になるかわからないからこそ面白い。お金=勝利では面白くも何ともない。一部の球団だけが勝利を独占することはあってはならないのです」
――今季もセは巨人の独走、パは大補強を敢行したソフトバンクの優勝が濃厚とみられています。
「主力にケガ人が続出しなければ、その通りになるでしょうね。ただ、いつまでもそんなことを続けていたらどうなるか。日本球界もメジャーリーグのような収益分配やドラフトの完全ウエーバー方式を導入するなど、球団格差を縮める努力をすべきです。最初から勝ち組、負け組が二分されていたら、それはまともなプロスポーツとは言えない。今季も開幕前の予想通りの結果になれば、プロ野球崩壊の序曲とも言えるでしょう」