結婚と第1子誕生はプラス 松山英樹メジャーVの“必須条件”
「『何をすれば勝てるのかわからない』という言葉はよくわかる」と、スポーツ心理学者の児玉光雄氏(追手門学院大客員教授)は、松山のメンタル面をこう分析する。
「松山選手は最終日、10番で単独トップに立った時、メジャー初制覇まであと少しと感じたはずです。この時、本人がプレッシャーを自覚したか、しないかにかかわらず、無意識の重圧から脳には悪い影響を及ぼす『ノイズ』が入った。11番では第1打をフェアウエーに運びながら、ピンまで153ヤードの第2打をグリーン右サイドに外した。本人は『第2打のミスの原因はトップに立ったからというのは関係ない感じだった』と言ったが、無意識に重圧を受けている脳はイメージしたボールを打たせてくれなかった。見えない重圧により、自分の意識とスイングにズレが生じていたのです」
児玉氏は松山の自滅はスイングルーティンにも原因があったと指摘する。
「松山選手はアドレスしてから打つまでの時間がやや長い。ボールの後ろにクラブを置いてからバックスイングに入るまで、最終日は15秒から16秒だった。それに対し、優勝した同組のJ・トーマスは約7秒だった。全米プロ前週のWGCブリヂストン招待の時のように調子がいいときはそれでも問題ありません。でも、通常とは異なる異常なプレッシャーがかかる場面では、ルーティンに時間をかけると正常な身体機能を損ないスイングを崩しやすい。16番で1・2メートルのパーパットを外したときも仕切り直ししていた。ルーティンについては再考した方がいい」