反日感情考慮 平昌五輪はメダルでも選手の“歓喜”見られず
2月9日開幕の平昌五輪で、日本勢の笑顔は見られそうにない。
各競技団体とも代表選手に対し、試合後や表彰式で喜びを爆発させたり、派手なパフォーマンスを控えるよう指導しているからだ。
韓国国内の反日感情を考慮したもので、下手に現地の人を刺激してトラブルに巻き込まれるのを回避するためだ。
五輪期間中は選手村、試合会場はもちろん、平昌市内は厳重な警備態勢が敷かれる。日本選手団が危険にさらされるとは考えにくいが、リスクは極力、回避するに越したことはない。
実際、過去に中国、韓国で行われたアジア大会、ユース五輪では、日本選手団に同様の注意喚起がなされた。最近のケースでは2014年の中国・南京でのユース五輪だ。中国で最も反日感情が根強いとされる南京市での開催だけに、現地で選手団はさまざまな制約を課された。
JOC(日本オリンピック委員会)からは事前に「移動の際は『日本』『JAPAN』と書かれたウエアの着用は極力、控えるように」と指示が出たとされる。競技団体によっては、国籍や氏名が記された選手IDを必要な時以外は外したり、選手村で食事する際には、中国、韓国の選手が少ない時間を見計らって済ませるなど、徹底した自衛策を取った。中には試合や練習以外は選手村の部屋に缶詰めだった選手もいたという。
今回の日本勢は男女フィギュアスケート、女子スピードスケートなど、表彰台が有力視される選手が少なくない。悲願のメダル獲得を成し遂げても、表彰式での喜びは控えめになりそうだ。