翌日18ホールから2ホールに 全米OPプレーオフ短縮の真相
■大金を払うテレビ局のご意向
それではなぜ、これまで100年以上も18ホールのプレーオフにUSGAがこだわってきたのか? それは公平に勝者を決めるためだ。
ゴルフは選手とコースの戦いだ。全米オープンではその開催コースが毎年変わり、個々のプレーヤーにとって苦手なホールや得意なホールが出てくるのは当然だろう。
例えば、非力な選手がパワーヒッターと距離の長いパー5でサドンデスのプレーオフということになれば、どちらが有利かはおのずと明らかだろう。
集中力、体力、そして技術とすべて兼ね備えてこそ真の王者というのが、これまでの全米オープンの発想だ。
マスターズは、クラブハウスに近い18番パー4と10番パー4を繰り返す、サドンデスのプレーオフを採用しているが、毎年同じオーガスタ・ナショナルで開催されるために大きな問題にはならない。
全英オープンは4ホール、全米プロは3ホールのプレーオフ方式だ。
「2ホールであれば選手は一度のミスを取り返せる」(前出のデービス氏)というのがUSGAの言い分だが、18ホールから2ホールというのはあまりに極端で、これはもうサドンデスと変わらない。