人間が面白い
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「木下サーカス四代記」山岡淳一郎著
1959年生まれのノンフィクション作家、山岡淳一郎は、小学生の時に木下サーカスを見たことを覚えている。その木下サーカスが、創業100余年を経た今も生き残り、驚異的な集客力を保っていることを知って驚い…
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「拗ね者たらん」後藤正治著
昭和46年、読売新聞社会部のエース記者だった本田靖春は、社を辞めてフリーになった。このとき37歳。社会部の自由闊達な気風がいつしかうせ、社主・正力松太郎の権勢にひれ伏す社内の体質に反発した本田は、組…
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「愛し続ける私」十朱幸代著
芸能生活60年を迎えた女優、十朱幸代の初の自伝。俳優・十朱久雄を父に持ち、幼い頃から人前に出るのが好きだった。15歳の時、父親について見学に行ったNHKでスカウトされ、連続テレビドラマ「バス通り裏」…
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「尾畠春夫 魂の生き方」尾畠春夫著
今年8月、山口県周防大島で2歳の男の子が行方不明になり、3日後に無事に見つけ出された。見つけたのは、大分県から軽トラックに乗ってやって来たボランティア、尾畠春夫さんだった。 その後、尾畠さん…
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「岡田啓介」山田邦紀著
昭和11(1936)年2月26日の早朝。総理官邸に銃声がとどろいた。雪明かりの中に大勢の兵隊がうごめいていた。二・二六事件。このとき官邸内にいた総理大臣が岡田啓介である。一度は決起部隊による総理暗殺…
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「わたしの家族の明治日本」ジョアンナ・シェルトン著滝沢謙三、滝沢カレン・アン訳
1877年、若いアメリカ人宣教師が、3週間の航海を終えて横浜港に降り立った。トーマス・セロン・アレクサンダー。通称トム。半年前に結婚したばかりの妻、エマを伴っていた。故郷のテネシー州メアリービルから…
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「木村政彦外伝」増田俊也著
720ページ、上下2段組みで、ずしりと重い。「外伝」とはいえ、量も密度も「正伝」に匹敵する。正伝とは、2011年に刊行された作品「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」。大宅壮一ノンフィクション賞…
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「蕗谷虹児」鈴木義昭著
蕗谷虹児は大正、昭和の乙女たちの心をときめかせた叙情画家。「金襴緞子の帯締めながら」で始まる童謡「花嫁人形」を作詞した詩人でもある。その生涯は、美しく繊細な画風からはうかがい知れない苦境の連続だった…
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「胆斗の人」北康利著
昭和31年8月、関西電力の黒部川第四発電所が着工した。人跡未踏の地にダムを建設するという壮大な試みは、戦後復興期の急増する電力需要に応えようとする電力会社の使命であり、大いなる賭けでもあった。 …
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「くよくよしない力」フジコ・ヘミング著
「自分の夢のために努力して、きちんと準備していれば、チャンスは必ず訪れる」 「人間はいくつになっても素晴らしいことがたくさんできる。今より前に進むことを考えていれば、心は年をとらない」 …
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「日本一の『デパ地下』を作った男 三枝輝行ナニワの逆転戦略」巽尚之著
経営者の一代記というと、艱難辛苦を乗り越えて会社を大きくした個性豊かなオーナー社長を思い浮かべないだろうか。しかし、本編の主人公はサラリーマン社長。新卒で阪神百貨店に入社、課長、部長、取締役、ついに…
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「原民喜 死と愛と孤独の肖像」梯久美子著
作家で詩人、原民喜の評伝は、その最期の日から書き起こされている。昭和26年3月13日の深夜、国鉄(現JR)中央線の西荻窪駅と吉祥寺駅間の線路上に身を横たえ、鉄道自殺した。享年45。自宅から17通の遺…
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「雪ぐ人 えん罪弁護士 今村核」佐々木健一著
白髪まじりのボサボサ頭、くたびれたスーツ、底がすり減った靴。巨体をユサユサと揺すりながら現れた人は、敏腕弁護士のイメージとは大きくかけ離れていた。 今村核。無実の罪に問われた被告人の弁護を引…
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「カルピスをつくった男 三島海雲」山川徹著
爽やかな水玉模様のパッケージでおなじみのカルピス。時代を超えて愛される国民的飲料は、いつ、どのようにして生まれたのか。それを探ると、明治時代に大陸を駆け回ったひとりの男の人生が浮かび上がってくる。三…
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「マリア・シャラポワ自伝」マリア・シャラポワ著、金井真弓訳
「テニスに関しては、あなたの小さなお嬢さんはモーツァルトのようなものだ。世界一になる可能性がある」。やせっぽちの4歳の女の子がボールを打つ姿を見たテニス界の巨匠ユーリ・ヤドキンは、女の子の父親にこう言…
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「アイダ・ターベル」古賀純一郎著
アイダ・ターベルは調査報道のパイオニアとして高い評価を受けている米国の女性ジャーナリスト。19世紀半ばに生まれ、オイルラッシュに沸く東部の油田地帯で育った。父は木工職人で、石油を詰める樽を製造してい…
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「闘う商人」小榑雅章著
1957年、大阪の片隅に「主婦の店ダイエー薬局」が開店した。店はやがて巨大スーパーマーケットに成長。創業者の中内コウは、カリスマ経営者、価格破壊と流通革命の旗手として辣腕をふるった。しかし、半世紀を…
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「髙田賢三自伝夢の回想録」髙田賢三著
パリで自分のブランド「KENZO」を立ち上げ、世界に名を馳せたファッションデザイナー、髙田賢三は、正真正銘のパイオニアだった。 1939年、姫路市生まれ。18歳のとき、文化服装学院が「男子の…
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「義足でダンス」エイミー・パーディ、ミシェル・バーフォード著 藤井留美訳
エイミー・パーディは、ラスベガスで青春を謳歌していた。ハンサムで優しい父、美しい母と1つ年上の姉。仲のいい家族はスキーや釣りやキャンプを楽しんだ。エイミーは15歳のときスノーボードに出合い、夢中にな…
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「エマニュエル・マクロン」アンヌ・フルダ著 加藤かおり訳
エマニュエル・マクロンは2017年5月、先輩政治家たちを差し置いて、フランス大統領選に勝利した。39歳という若さ、スマートな容姿、人を魅了する物腰、そして24歳年上の妻。彼は何者? 「突然変異体(ミ…