人間が面白い
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「ライト兄弟」デヴィッド・マカルー著 秋山勝訳
1903年12月17日、ノースカロライナ州キティホーク近郊の砂丘。ウィルバー・ライトとオーヴィル・ライトは、手づくりエンジンを搭載した「ライトフライヤー号」の下翼に交代で腹這いになり、吹きすさぶ寒風…
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「遠山啓」友兼清治編著
数学研究から数学教育の改革運動へ、さらには障害児教育の研究と実践へ。仕事の軸足を移しながら、その思想と行動は日本社会に指針を与え続けた。遠山啓とは何者だったのか。私たちに何を残したのか。遠山の担当編…
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「僕は奇跡なんかじゃなかった」カール・レーブル著 関根裕子訳
神様、帝王、魔術師、暴君、計算高い完璧主義者、奇跡のカラヤン……。カラヤンはさまざまな呼ばれ方をする。ベルリン・フィルの音楽監督を34年務め、20世紀の楽壇を牽引したマエストロは、称賛と同じくらい、…
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「評伝 キャパ」吉岡栄二郎著
ロバート・キャパは、カメラを手に生涯、戦場を駆け巡った。1954年、インドシナ戦争を取材中に地雷を踏んで死亡。まだ40歳だった。伝説となった写真家をめぐる諸説、新資料、研究成果の全てを踏まえて書いた…
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「娯楽番組を創った男」尾原宏之著
敗戦後間もない時代、ラジオは庶民にとってほとんど唯一の娯楽メディアだった。昭和21年に始まった「のど自慢」は、素人にマイクの前に出て歌うチャンスを与えた。調子っぱずれな歌にカーンと一つ鐘が鳴ると、笑…
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「108年の幸せな孤独」中野健太著
わずか100年ほど前のことだが、貧しく、未来に希望を見いだせない多くの日本人が、移民として海を渡った。当時、キューバに新天地を求めた農業移民は1200人。その中に20歳の島津三一郎もいた。1907年…
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「私が死んでもレシピは残る 小林カツ代伝」中原一歩著
小林カツ代は家庭料理研究家として1万ものレシピを残し、2014年に亡くなった。「常識破りの肉じゃが」「わが道を行くワンタン」「庶民のシューマイ」……。簡単、時短でも決して手抜きではないオリジナル料理…
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「杉村太郎、愛とその死」杉村貴子著
「就活のバイブル」といわれるロングセラー「絶対内定」の著者。就職を支援するキャリアデザインスクール「我究館」の創設者。サラリーマンを歌ったコミックソングでヒットを飛ばしたデュオ「シャインズ」のメンバー…
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「伝えることから始めよう」高田明著
「ジャパネットたかた」のテレビショッピングで、おすすめ商品を熱く語るあの社長の姿を見かけなくなった。2015年1月に社長を退任、その1年後、テレビショッピングからも引退し、会社の未来を次世代に託した。…
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「発達障害の僕が輝ける場所をみつけられた理由」栗原類著
栗原類は17歳のとき「ネガティブキャラ」でブレークし、モデル、タレント、役者として「輝ける場所」を見つけた。だがそれは、並大抵の道のりではなかった。 イギリス人の父と日本人の母との間に生まれ…
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「片道の人生」ジェームス三木著
押しも押されもしない脚本家の大御所。NHKの朝の連ドラ「澪つくし」や大河ドラマ「独眼竜政宗」をはじめ、大ヒット作も数多いが、物書き人生のスタートは遅かった。起伏に富んだ半生を描いた初の自伝。 …
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「役者人生、泣き笑い」西田敏行著
俳優・西田敏行は今年、芸能デビュー50周年、11月には古希を迎えた。人生の節目を機に語り下ろした初めての自伝。 1947年、福島県郡山市の生まれ。映画が一番の娯楽だった時代、映画好きの養父母…
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「まわり舞台の上で荒木一郎」荒木一郎著
「こんばんは、荒木一郎です」 1966年に始まったラジオ番組「星に唄おう」は、荒木の語りと自作の曲で構成された番組だった。テーマ曲「空に星があるように」はシングルリリースされて大ヒット。荒木は…
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「ブラジャーで勲章をもらった男」西田清美著
「おい、西田。あのなあ、乳バンドを作られへんか?」 このひと言が、西田清美の人生の方向を決めた。戦後間もなく、まだ「ブラジャー」という言葉が知られていなかった時代のことだ。 西田清美は…
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「崑ちゃん ボクの昭和青春譜」大村崑著
戦後生まれの昭和の子どもは、ブラウン管に映る崑ちゃんを見て、笑って、育った。「やりくりアパート」「番頭はんと丁稚どん」「とんま天狗」。ダイハツのミゼットやオロナイン軟膏のCM。鼻眼鏡のおとぼけキャラ…
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「安藤忠雄 野獣の肖像」古山正雄著
建築の門外漢でも、安藤忠雄が世界的に活躍する凄い建築家であることは知っている。一体、どこがどう凄いのか。安藤の建築家としての原点とその軌跡を、近・現代の建築史の流れの中でとらえた人物評伝。著者は京都…
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「絶滅鳥ドードーを追い求めた男」村上紀史郎著
頭が大きく、太っていて、飛べない。「不思議の国のアリス」にも登場する不格好な鳥、ドードーは、マダガスカル島の東にあるマスカリン諸島に生息していたが、大洋を航海する船乗りたちの格好の食料となり、17世…
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「私は女優」浅丘ルリ子著
華奢で繊細、独特のオーラを放つ近寄りがたい大女優。そうした孤高のイメージは、この自伝を読むと大きく変わる。実は下町育ちの姉御肌。 浅丘ルリ子、本名・浅井信子は、父の赴任先の満州で生まれた。終…
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「井村雅代不屈の魂」川名紀美著
1984年のロス五輪から2004年のアテネ五輪まで、6大会連続で日本にメダルをもたらした「シンクロの母」。その手腕を見込まれて中国チームに招聘された時、折しも日中関係は悪化の一途をたどっており、「裏…
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「北の富士流」村松友視著
横綱から親方を経て、今はNHKの大相撲解説者。男の色気を放つ粋な着物姿と、歯に衣着せぬ辛口の解説で、相撲中継の名物になっている。土俵上の力士への厳しい苦言にも、叱責にも、どことなくユーモアが漂い、ま…