発掘おもしろ図鑑
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「日本ジャズ地図」常田カオル取材・文 谷川真紀子撮影
店内は私語厳禁、客はスピーカーに向かって一方向に並んだ椅子に座り、一心に音楽に耳を傾ける――そんな音楽を聴くことだけを目的にしたジャズ喫茶は日本独自の喫茶空間だという。 本書は、ライブハウス…
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「東京の美しい本屋さん」田村美葉著
ネット通販や電子書籍の登場で、昔ながらの書店は消える一方だが、時代にあらがうように新しいスタイルの書店が続々と現れつつある。そんな個性あふれる書店を紹介してくれるガイドブック。 上野駅の東側…
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「暮らしの図鑑グリーン」境野隆祐、AYANAS著
コロナ禍で引きこもり生活を余儀なくされる日々が続くが、不安やストレスでささくれだった気持ちをほぐしてくれるアイテムのひとつが観葉植物だ。しかし、園芸店やネット通販で気に入ったグリーンを購入して部屋に…
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「かわいい江戸の絵画史」金子信久監修
「カワイイ」や「マンガ」はいまや世界共通語だが、そのルーツともいえる日本絵画の中の「かわいいもの」は、美術史では豪華や厳かな美術に比べて「ちょろい」「低俗」と思われてきた。しかし、「かわいいものがどう…
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「東京『多叉路』散歩」荻窪圭著
昔の人は、無駄に上り下りをしないよう、また水が集まる不安定な谷地などを歩かぬよう、地形に即した道を工夫して通していた。やがて古い道筋を温存しながらも、自動車に適した道が造られたり、農地が住宅地に転換…
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「世界で一番美しいタトゥー図鑑」クリス・コッポラ著 森本美樹訳
入れ墨は、日本ではいまだに闇社会を連想させるからか、銭湯やプールなどご法度のところも多い。しかし、紀元前2100年ごろの遺跡から入れ墨が入ったミイラが出土するほど、その歴史は古い。 そして、…
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「LGBT ヒストリーブック」ジェローム・ポーレン著 北丸雄二訳
古代ギリシャ人にとって同性愛は、普通のことで、哲学者ソクラテスやその弟子プラトン、さらにはアレキサンダー大王などの偉人たちもLGBTだったという。 レオナルド・ダビンチやミケランジェロ、シェ…
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「ぶらナポ」下関マグロ著
おじさん世代のソウルフードのひとつ、ナポリタンが密かなブームを呼んでいるという。 本書は、ナポリタンを食べて半世紀という散歩ライターの著者が、「極私的ランキング」を紹介する食べ歩きリポート。…
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「江戸の仕事図鑑 上巻 食と住まいの仕事」飯田泰子著
近い将来、多くの仕事がAIに取って代わられ、労働人口の約半数が仕事を失うといわれる昨今。戦々恐々としている方も多いと思うが、本書を一読すれば、時代の変化によって、これまでの仕事が消滅するのはなにも今…
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「イラスト図解 オリンピック競技おもしろ大全」雑学総研著
新型コロナウイルスの蔓延で開催が危ぶまれている東京五輪。数あるスポーツイベントの中でもオリンピックは別格、まして自国開催となると、普段スポーツに関心がない人でも無関心ではいられないはず。 期…
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「世界でいちばん変な虫―珍虫奇虫図鑑」海野和男/写真と文
地球上でもっとも繁栄している生き物である昆虫は、名前を付けられたものだけでも120万種。他の動物に比べ、けた違いの多様性を誇っているのは、その小ささゆえだという。限られた場所でほんの少し生き方を変え…
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「奇妙な瓦版の世界」森田健司著
スマホを通じて、世界中の出来事をリアルタイムに知ることができる現代。時事から、スキャンダル、そして芸能ニュースまで、人間とは何とも知りたがり屋な生き物である。それは江戸時代の人々も同じだったようだ。…
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「カメの甲羅はあばら骨」川崎悟司著
人間と動物の構造は大まか同じで、目や口、肘、脛など人間の体の各部につけられた名前に当たるものは動物の体にもある。 一方でキリンやゾウなどを思い浮かべれば分かるように、動物はそれぞれ、生活環境…
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「帯結ばない帯結び」ayaaya著
女性にとって着物の着付けの最大の難関は帯結び。4メートル近い布を体に巻き付け、立体的な結び目をつくらなければならず、四苦八苦している間に着崩れしてしまうなど、男が知らぬ苦労があるのだ。 着物…
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「ちくわぶの世界」丸山晶代著 渡邉博海写真
東京の下町で生まれ育った著者はソウルフードの「ちくわぶ」をこよなく愛するが、その知名度の低さとおでんの具材のみの扱いに憤慨して、ちくわぶ料理研究家に。そんな著者が「ちくわぶの素晴らしさ」を広めたいと…
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「山手線圏内 蔵めぐり散歩ガイド」清田予紀著
東京は、かつて「蔵の街」と呼ばれるほど江戸や明治時代に建てられた蔵が林立していたという。しかし、度重なる災害や戦災、そして近年は再開発によって、急激にその姿を消しつつある。 本書は、そんな蔵…
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「WOMEN 女性たちの世界史大図鑑」ルーシー・ワーズリー序文 ホーリー・ハールバート他監修 戸矢理衣奈日本語版監修 戸田早紀ほか訳
ここ数年の研究で、新石器時代は母系社会で、家族の長を女性が務め、リーダー的役割を果たしていたという説が浮上しているそうだ。しかし、それ以降、現在まで世界的に家父長制(男性優位)の社会が営々と続いてき…
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「世界一楽しい!万葉集キャラ図鑑」岡本梨奈著
新元号の出典として、にわかに脚光を浴びた万葉集だが、現代人にはやや縁遠い存在である。しかし、著者は万葉集はいわば「時代をこえたSNS」であり、食わず嫌いは、もったいないという。 というのも、…
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「ようかん」虎屋文庫著
まんじゅうと並んで、和菓子界のツートップに君臨する「ようかん」。室町時代後期創業の老舗「虎屋」に残る史料にその名が出てくるのは1635年。しかし、そのものの歴史はさらに古く、中国に留学した禅僧が、点…
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「独裁者のデザイン」松田行正著
世界中に自国ファーストを主張する政治家が出現している状況を、著者は「独裁者予備軍の存在と独裁者待望論が蔓延している」と危惧する。 本書は、ヒトラーを中心に、ムソリーニ、スターリン、毛沢東など…