「江戸の宇宙論」池内了著

公開日: 更新日:

 日本人は、江戸時代の1780~1820年の短い間に、西洋から天文学や宇宙論を学ぶ中で、無限の空間に無限個の恒星や惑星が存在するという現代にも通用する無限宇宙論を構想し、当時の宇宙論の世界の第一線に立っていたという。

 その中心を担ったのが、絵師の司馬江漢、元長崎通詞(オランダ語の通訳)・志筑(しづき)忠雄、大名貸し「升屋」の番頭・山片蟠桃の3人の人物だった。3人に面識はなかったが、志筑は翻訳書「暦象新書」で、ニュートン力学を日本で最初に紹介。江漢は、志筑の翻訳の教師で地動説を日本に紹介した本木良永との出会いで地動説を知る。さらに蟠桃は「暦象新書」を熟読して自らの宇宙論の骨格としている。

 3人の事績を紹介しながら、その理論の先見性と独自性を再評価する。

(集英社 1034円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ダウンタウン浜田雅功の休養でよぎる2023年の「意識障害」報道…「前日のことを全く記憶していない」

  2. 2

    フジテレビ30代アナ永島優美、椿原慶子が辞めて佐々木恭子、西山喜久恵50代アナが居座る深刻

  3. 3

    蒔田彩珠は“この役なら変われる”と奮起して「富永蒼」役をゲット

  4. 4

    男性キャディーが人気女子プロ3人と壮絶不倫!文春砲炸裂で関係者は「さらなる写真流出」に戦々恐々

  5. 5

    コシノジュンコそっくり? NHK朝ドラ「カーネーション」で演じた川崎亜沙美は岸和田で母に

  1. 6

    40歳目前の綾瀬はるかは"長い春"か…冠番組に映画主演と「決断できない」ジェシーとの関係

  2. 7

    岡田准一が真田広之をライバル視…Netflix超大作時代劇「イクサガミ」での“無茶ぶり”には困惑の声も

  3. 8

    井上真央ようやくかなった松本潤への“結婚お断り”宣言 これまで否定できなかった苦しい胸中

  4. 9

    浜田雅功の休養で暗雲漂う…大阪・関西万博とダウンタウン活動再開の行方

  5. 10

    精神科医・和田秀樹氏が語る「老害」を乗り越える方法