「来年賞撮る」 高校時代の恩師も呆れた 辻仁成の“自意識”
女優の中山美穂との離婚問題が連日報道されるなど、騒動の真っただ中にいる辻仁成(54)。本業はミュージシャン、映画監督、演出家、そして芥川賞作家とマルチな文化人だ。
東京都日野市生まれ。保険会社に勤務する父親の転勤で、福岡、帯広と移り住み、そして中学3年から高校卒業まで函館で暮らす。函館西高等学校時代は柔道部で汗を流し、詩や小説を執筆しながらジャズ喫茶に通い、公民館でロックフェスティバルを企画・出演した。中学後期から高校時代の多感な4年間の愛着がひとしおだったという。
「芥川賞受賞作の『海峡の光』は函館少年刑務所が舞台で、辻は受賞後に<舞台になった少年刑務所を高い塀の向こうに何があるかを、高校時代から漠然と考えていた>と語っていましたね。函館で彼の文学性が高まったのでしょう」(函館西高の関係者)
■作品のあちこちに函館の思い出
成城大学中退後に書いた処女小説「ピアニシモ」ですばる文学賞受賞。第2作の「クラウディ」の書き出しは、主人公が16歳の秋に自殺しようと函館西高校の屋上に立った時に、ミグ25を仰ぎ見るというシーンだ。