“芸能界版ロッキード”に巻き込まれた歌手・大原未登里は今
70年代初め、五木ひろし、八代亜紀、中条きよしなどを世に送り出した「全日本歌謡選手権」(日本テレビ系)。同番組出身でもう一人、忘れられない歌手がいる。76年、“芸能界版ロッキード事件”と呼ばれる一大スキャンダルに巻き込まれた46代チャンピオンの大原未登里(旧名・みどり)さんだ。あれから38年、今どうしているのだろう。
「去年の夏、とてもうれしいことがありました。ワタシの『浅草恋明かり』という曲が、カラオケでも歌えるようになったんです。25年前の歌がカラオケ曲としてよみがえる。ホント、夢のようでした」
JR目黒駅近くの喫茶店で会った大原さん、まずこう言ってほほ笑んだ。穏やかな話しぶりが聞き心地良い。
「実現したのは、ファンの皆さんのおかげです。この曲、下町を中心とした年配の方たちに親しまれてましてね。その方々からカセットテープよりカラオケで歌いたいって声が、以前から届いてました。でも、ワタシには自分の曲をカラオケ化するような力がない。そんなワタシに代わり、皆さんが動いてくださったんです。歌本を検索して、タイトルが画面に出た時は、感激でいっぱいでした」