<第6回>組合も納得させた「唐獅子牡丹」の美しさ
年末には東映、東宝ともに映画館で「高倉健追悼上映」を行うという。背中に描いた唐獅子牡丹を見るのならば、できれば大きなスクリーンがいいだろう。
「うちの母親は背中に彫り物を入れて仕事をすることを嫌っていた」
高倉健はつねづねそうつぶやき、任侠映画や彫り物については、自分から話し出すことはなかった。
しかし、あらためて本作を見ていると、降旗監督の言う通り、確かによくできた唐獅子牡丹だとわかる。丸の内TOEIで始まる“高倉健さん追悼上映会”(今月6日~1月下旬、午前10時半~、1000円)では20~26日に、この作品がかかる。ファンならずとも必見。
▽のじ・つねよし 1957年生まれ。美術展のプロデューサーを経て作家活動へ。「サービスの天才たち」(新潮新書)、「イベリコ豚を買いに」(小学館)など著書多数。最新刊は「アジア古寺巡礼」(静山社)。「高倉健インタヴューズ」(プレジデント社)が話題に。