オヨネーズ杏しのぶさんが語る 亡き「松っつあん」と「麦畑」
「マンボとタンゴをミックしたノリノリの曲ですよ。実はリーダー、04年に脳梗塞を患い、それで入院してる時、リハビリ体操ができるようなリズミカルな曲がこれからの高齢化社会にウケるんじゃないかと考え、退院後に曲作りしたそうです。転んでもタダじゃ起きない、リーダーらしい発想ですよね」
■年齢を聞いたら「レディーにそんなこと聞ぐんでねだ」
さて、山形県米沢市出身の杏さんは68年に上京。作曲家の故遠藤実の元でレッスンに励み、72年、「蛍の街灯り」でデビューした。
「あとは、CMソングや江東区砂町住宅自治会制作の『砂町音頭』なんて超ローカルなご当地ソングも歌いました。メジャーなところでは、フジテレビ系列の昼のメロドラマ、ライオン奥様劇場の『地上の星座』の挿入歌『愛はてしなく』でしょうか。残念ながら、あんまり売れませんでしたけど」
下積みは長く、「麦畑」と出合ったのは上京から21年目、89年のことだ。
「最初は“兵庫県淡路島出身のリーダーが東北弁に慣れるためにデモテープを作ってほしい”って話だったんです。ところが、ワタシの山形弁が曲の雰囲気にピッタリだと、直々にリーダーから相手に抜擢されました。女性ボーカルがまだ決まってなかったのが幸いしましたね。♪おらでええのか おら おめえでええてば♪って歌詞の感じそのままにレコーディングしたのを覚えてます」