小倉智昭&菊川怜 “不仲説”が飛ぶから面白い「とくダネ!」
一見、こちらもぶっきらぼうな父、小倉智昭、その父になにかと反抗的な娘の菊川怜、それを温かく見守る姉、梅津弥英子アナ、いつまでも父を超えられない兄、笠井信輔アナといった疑似ファミリーとして捉えることもできる。しかし、この番組、決して仲良しファミリーには見えないところがミソだ。小倉と菊川の不仲説が定期的に飛び出すほどだから。
19日の放送でも、菊川が番組を途中退席。原因は急性胃腸炎だそうだが、「小倉のイジメのせい!?」とすぐに盛り上がってしまう。まるで小倉が恐怖政治を敷いているような印象だが、番組を見ていると実はそうではないことがわかる。
ほかの番組は仲良しごっこをやっているだけで本当に自分の意見を言えてるか怪しいが、「とくダネ」は小倉のイエスマンはおらず、好き勝手なことを自由に発言しているように見える。いくら気分が悪いからといって、番組を途中で退席する司会者はそうはいない。それをやらせているのも自由度の高い証拠? と思えてしまう。
一時は視聴率も下がり気味だったが、ここにきて盛り返しているんだとか。だとすれば、疑似ファミリーの仲良しごっこがウザいと思っている視聴者が案外、多いのではないのか。
菊川は1月にも番組を途中退席していて、今回が2度目。それで視聴率アップは皮肉だが、怜ちゃんが自由に振る舞ってこその「とくダネ」。アンチなれ合いのシンボリックな存在として、胃腸薬を飲みながらでも頑張って欲しい。
(コラムニスト桧山珠美)