コンペ部門に初の「邦画3本」 東京国際映画祭に2つの変化
10月22日から開催される今年の第28回東京国際映画祭には2つの特徴がある。会場が増えたことと、邦画の上映にとくに力が入っていることである。
会場はこれまで六本木中心だったが、新たに新宿の3つのシネコン、新宿ピカデリー、新宿バルト9、TOHOシネマズ新宿が加わった。新宿開催は単純にうれしい。これで初めて映画祭に出かけようという人が多くなるだろう。
邦画は新旧の作品がとても充実している。コンペティション部門には、なんと3本も選出された。これは映画祭史上初の快挙である。作品は小栗康平監督の「FOUJITA」、中村義洋監督の「残穢―住んではいけない部屋―」、深田晃司監督の「さようなら」の3本。「FOUJITA」(仏と合作)は世界的な画家として知られる藤田嗣治の半生を描く。オダギリジョーがおかっぱ頭や丸ぶちメガネ姿で藤田を演じる。役柄になりきることに抜きんでた才能をもつ“性格俳優”オダギリの演技力が見どころとなろう。
「残穢」は竹内結子、橋本愛が出演するホラー。小説家に届いた女子大生の手紙から、ある家の過去の住人たちのおぞましい出来事が明らかになる。「白ゆき姫殺人事件」を手掛けた中村監督の手腕に期待したい。