歌の話や恋バナも 橋幸夫が語る“美空ひばり宅”での家飲み
お嬢はボクが昭和41年に発表した「雨の中の二人」という歌をとくに気に入ってくれて、「幸夫、いい歌、歌ってんじゃない」って言って、タンスからレコードを出してきたんです。仕事帰りにどこかのレコード店の前で車を止めさせて、自分で店に入っていってレコードを買ってくれたっていうんだからうれしかったよねぇ。後に「ひばり・橋の花と喧嘩」って映画で共演した時、2人でデュエットしました。
恋の話もしましたね。幼い時からずーっと歌を歌って家族を養ってきたから、恋をしてみたいって憧れがあったんじゃないかなぁ。いろんな恋をしていたけど、(小林)旭さんに惚れこんで結婚したいと言いだした時は家族中が反対した。ようやく結婚って運びになってからも反対していて、お嬢の部屋に飾ってあった白無垢に弟の哲也が「気に入らねえな」って言って、インクだか墨だかをバッとかけちゃったことがありましたね。
お嬢とボクは恋に落ちなかったのか? ただの酒飲み友達ですよ(笑い)。ボクより6歳上だったから弟みたいに思ってたんじゃないかな。でも、ボクが結婚した時にはジェラシーを感じて、結婚式に来てくれなかった。それもなんかカワイイですよね(笑い)。後でカルティエのペアの腕時計をプレゼントして祝ってくれましたけどね。