女子アナの安全も心配 TV各局が恐れる「リオ五輪」の地獄
現地5日(日本時間6日)に開会式を迎える、リオデジャネイロ五輪。日本の各テレビ局は4年に1度の「お祭り」を直前に控え、沸きに沸いているかと思いきや、なぜか局内は静まり返っているという。ある民放のスポーツ局関係者は「こんなことは、過去に例がないですよ」と言って、こう続ける。
「現地では、選手や日本人が強盗に遭ったとか、事件のニュースばかりでしょ。とてもじゃないですが、今のリオは五輪を開催できるような状態ではない。開会式が目前に控えているというのに、みんな現地行きを嫌がり始めた。ある局は、誰もがリオ行きを嫌がるため、仕方なくくじ引きで担当者を決めたそうです」
選手のみならず各局スタッフ、幹部らを震え上がらせたのは、6月17日に発令されたブラジル・リオデジャネイロ州の非常事態宣言だ。この期に及んで、深刻な財政危機を理由にリオデジャネイロ市の治安や交通といった公共サービスに責任が果たせないと開き直ったのだ。
先月には、凶悪犯罪増加による命の危険と給料の遅配に悩まされるリオ警察と消防士の労働組合が国際空港ロビーで「welcome to hell(地獄へようこそ)」という横断幕を掲げ、世界中のメディアに取り上げられた。結果、各テレビ局の五輪中継スタッフは自分たちで安全を確保するしか手段がなくなったのだ。