世界戦17連敗阻止 ボクサー工藤政志さんは年商2億円社長
その後、王座を8度防衛。19勝11KO無敗の成績で78年8月に階級を1つ下げ、エディ・ガソ(ニカラグア)の持つWBAジュニアミドル(現スーパーウエルター)級世界王座に挑戦。判定勝ちでチャンピオンベルトを奪取した。
「減量より苦労したのはスパーリングですね。所属ジムは小さい上、当時は東京を含めても同じ階級の選手は数えるほど。相手がいないもんだからガッツ石松さんの試合ビデオを手に入れ、テープが伸びるほど何百回と見て参考にしたものです」
世界王座は3度防衛。4度目の防衛戦で、技巧派のアユブ・カルレ(ウガンダ)に判定で敗れ、潔く身を引いた。
「『1回負けたら即引退』って覚悟でボクシングを続けていたから、未練はなかった。正直なところ、後遺症が残るような大きなけがをせず幕を引けたから、ホッとしたところもありました」
工藤建材が軌道に乗りだしてから「常陸大宮ジム」をオープン。自らコーチとなって30年あまり後進育成に汗を流したが、一昨年に閉鎖した。
「地方のジムは、どこも少子化の影響で四苦八苦してるんじゃないかなあ。私もずっと“持ち出し”だったしね」
孫8人。趣味は渓流釣りとスキーだ。