夏クールの問題作 高畑充希「過保護のカホコ」の裏テーマ
女優・高畑充希(25)の民放ドラマ初主演作として注目された日本テレビ系「過保護のカホコ」(水曜22時)。脚本は遊川和彦氏。社会現象となった「家政婦のミタ」(11年)や「○○妻」(15年)など話題作を次々と世に送り出すご仁らしく、今回も親子間でも社会でも蔓延する「過保護」にスポットをあて世の中に一石を投じるような作品を放っている。
登場人物それぞれの特性を表現するのに、ミーアキャットだのカエルだのライオンだの役者の顔に動物のかぶり物のCGを施したり、主人公一家が住むエリアに境界線を張ったり。演出面の仕掛けも満載だが、「?」と首をひねってしまうのが、若手演技派の筆頭格とされる高畑の演技だ。
両親から過保護に育てられたチョー箱入り娘の大学生・根本加穂子を演じているのだが、笑うのも走るのも食事するのもとにかくクレージー。常軌を逸したオーバーリアクションばかりが目立ち、問題提起する過保護のテーマはそっちのけで、登場人物の誰にも感情移入できないのだ。第2話(19日)まで放送が終了したが「正直、深いんだか浅いんだかよく分からない」とは、コラムニストの桧山珠美氏。こう続ける。