戦争映画の金字塔 「ダンケルク」人気の理由を評論家解説
アメコミ実写化やSF超大作のイメージが強い監督だが、今回は自身初となる歴史もの。CGを避け“本物”にこだわる撮影で戦場のリアリズムを再現し、観客に戦争の恐怖と兵士の勇気を伝えたかったと語っている。
「残念なのは、英国では国民的美談というべきこの史実自体が、多くの日本人にはピンとこないこと。この映画は誰もがよく知る“奇跡の現場”に観客を没頭させることを目指して作られたもので、だからこそ“本物”の映像にこだわっているのですが、そもそも欧州の観客ほどのめりこめない人が多いはずです。また監督の非デジタルへのこだわりは、CDとレコードの音質の違いくらい繊細なもの。その理想をハッキリと体感できる最新鋭の設備を持った劇場が、日本にはまだ少ない点も悩ましいところです」(前出の前田氏)
決して万人向けじゃない題材ながら、実物にこだわる本物映像でカバー。戦争映画の金字塔となるか。