ビビットは倫理違反 “迷惑モノ企画”セーフとアウトの境界
放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は5日、審議入りしていたTBS系の情報番組「白熱ライブ ビビット」(当時)のホームレス企画について「放送倫理違反あり」のジャッジを下した。
俎上に載っていたのは今年1月31日の放送回。「多摩川リバーサイドヒルズ族」と題し、多摩川の河川敷で暮らすホームレスの人びとをシリーズ化して取り上げる名物企画の第7弾だ。法定の予防接種を受けさせずに犬を複数匹飼っているホームレス男性を取材し、放送した。
何がまずかったのか。BPOは3つのダメ出しをした。まず、ホームレス男性A氏に「犬男爵」とニックネームをつけた上、別のホームレス男性の発言を引用して「人間の皮を被った化け物」とイラスト付きで紹介。加えて、A氏がカメラに向かって怒鳴りつけるシーンを3回繰り返したことだ。
この日の会見で、川端和治委員長は「A氏の人格否定だけでなく、ホームレスの人びとへの偏見を助長する恐れがある」と警鐘を鳴らした。もっとも「勧告」や「見解」に比べると軽めの「意見」止まりだったのは、事後対応が迅速だったから。