「翼の翼」朝比奈あすか著
「翼の翼」朝比奈あすか著
小学2年の翼は、円佳の自慢の息子だ。勉強はもちろん、通っているスイミングは育成コース、ピアノも弾け、何よりも性格が優しい。小学受験も考えたが、義母から「運や縁で決まる小学校受験」より、「実力勝負の中学受験」と言われ公立校に通っている。3年生への進級を控えたある日、円佳は塾の全国一斉実力テストを翼に受けさせる。
テスト中に催された保護者会で、テストを終えた子に「どうだった?」と聞いてはいけないという校舎長の加藤の話に納得した円佳だが、やはり結果が気になる。単身赴任中の夫もまだ早いと言いながら、翼の将来には思うところがあるようだ。後日、加藤との面会で、このまま実力が伸びれば超難関校を狙えると聞いた円佳の期待が膨らむ。
中学受験のリアルを描く長編家族小説。 (光文社 858円)