「運動」が健康長寿につながるのはなぜ? テロメアを守る働きあり
健康長寿を得るには「運動」も欠かせない。例えば全身の糖化、酸化、炎症は老化を促すことが知られている。運動はこれらを防ぎ、テロメアを守る働きがあるという。
テロメアとは靴ひもの先端の“キャップ”のようなもので、染色体の末端がほつれないようにする働きがあり、細胞分裂のたびに短くなる。そして、テロメアがある程度まで短くなると細胞分裂を止めてしまう。するとその細胞は死滅したり、老化細胞となったりすることで、体の老化につながっていく。テロメアが「命の回数券」と呼ばれるゆえんだ。
ハーバード大学医学部&ソルボンヌ大学医学部客員教授の根来秀行医師が言う。
「約2400人を対象とした英国の双子研究では、運動量が多いほどテロメアが長いことが確認され、その差は運動量が最も多い人と少ない人とでは9年分あったと報告されています。運動をすると、糖がエネルギーとして使われるため血糖値が必要以上に高まるのを防ぐことができます。また、筋肉を動かすと抗炎症作用を持つ『マイオネクチン』と呼ばれるホルモンが分泌されることがわかっています」