<140>バブル崩壊後の“失われた世代”は哀れな漂流者ばかり
どうしてそんなことしでかすんだか、ほんとにわけの分からん犯罪者だらけ。今一番、本人の頭の中もわけが分からなくなっている最中なのが、群馬の田舎のコンビニ酒店で1万円札1枚とビール券30枚だけかっぱらって、長野の松本市内だ、岐阜の高速道料金所だ、富山のコンビニだと、まるで「逃亡者」のリチャード・キンブル気どりかどうか知らないが、逃げまくっている群馬県警の警部補のバカ者だ。最近、とち狂ってしまって、上司を撃ち殺した警官もいたし、危なくてならない。まだ37歳だから、キンブルなんて知る由もないか。「職業医師、彼は身に覚えのない妻殺しの罪で死刑を宣告され……護送の途中、事故に遭い、からくも脱走した。現場から去った片腕の男を探し求めながら……」。60年代のアメリカのテレビドラマ「逃亡者」はほんとにカッコ良かった。冤罪を自ら証明するため、明日を信じて逃げてたんだから、希望と夢があったもんな。
さて、この若い警部補、マジメそうな、いかにも警察官って顔の写真も日本中に公開手配されて、今、絶賛、逃亡中だ(もしこれを読んでるなら、すぐ出頭しなさい。まだ未来はあるんだから、ね)。しかも捜査2課。企業犯罪、経済犯罪、金融犯罪、詐欺、贈収賄、脱税、不正取引、公務員の職権乱用、汚職……の担当だ。それが泥棒やってんだから、もう、つける薬も塗る薬もない。実は、本人が一番困ってたんだろ。サラ金に数百万円の借金で困り果てた揚げ句のようだ。でも、なんで夜中に酒屋に強盗なん? 誰か相談相手はいなかったのか? 結局、友達もいなかったのか? いなかったんだろうな。ガキでも大人でもない、人生の谷間でもがいて疲れて壊れかけてるのが、37歳だ。腹を割って話ができる友人などいないよな。でも、サラ金の借金ぐらい、過払い相談所に電話したら何か策もあったはずだ。強盗する発想が分からない。まさに、バブル崩壊後に生まれた「失われた世代」は哀れな漂流者ばかりだ。