俳優か正社員か…篠井英介が本気で揺らいだ“人生の岐路”
30歳の頃はアパレル会社が母体の原宿のクラブで店長をやっていました。女の子が5人ほどのこぢんまりしたカフェバーのような店で、1年ぐらい続けましたか。安定した収入が入ってくるから精神衛生上もよかった。
ある時、社員として就職しないかというお話を頂いたんです。正直、本気で揺らぎました。もう31歳でしたし。でも、社員になったらお芝居はやめなければいけない……。
二者択一を迫られて、どっちの仕事が踏ん張りが利くか考えました。俳優の道も会社員の道も、どちらを選んでも、つらいことや嫌なことはある。そんなとき、「なにくそ、やってやる」とへこたれず、ガッツが出て続けられるのはどちらだろうかと。そう考えると、やっぱり俳優の道の方が頑張れると思ったんですよね。
お誘いを断った後、店はしばらくしてから区切りをつけようと思い辞めました。そして「花組芝居」も辞めたんです。“職業俳優として成立するか、ここで世の中に問わないと”と思ったんです。
■最初の10年、オカマ役のオファーを断った理由