余地残す演技でたどり着いた 中村倫也のフワっとした魅力
ターニングポイントとなったのは25歳の頃だという。
「ナイーブな思春期の延長みたいな心境で、くすぶってて、世の中を斜めに見ている時期があって、そこで『俺には才能がないんだ』って気づいたんです」(oricon ME「ORICON NEWS」18年8月1日)
それまで、自分が評価されないのを周りのせいにしていた。けれど全部「俺次第」だと気づき、徹底的に自分と向き合った。
その頃、「ロッキー・ホラー・ショー」という舞台に出演した。それは衝撃的な体験だったという。「真面目に作らなくても人は感動する」ということに気づいた。「これをこう見て欲しい」などと変に“真面目に”作り込んでしまうと、先細りになってしまうと感じた。泣かそうと思ってなくても人は泣くのだ。
「お客さんは自分の想像力とか、自分の人生経験を持ち込んで、そこでかけ算をして見るんだなと。だからその想像力を限定してしまうような芝居はしたくない」(LINE「livedoorニュース」17年10月19日)