NHK朝ドラ『あんぱん』見る者を元気にする「愛と勇気の物語り」に期待
連続テレビ小説「あんぱん」(NHK)がスタートした。今田美桜が演じるヒロインのモデルは、漫画家・やなせたかしの妻、小松暢だ。
やなせの代表作といえば「アンパンマン」。絵本としてスタートし、テレビアニメ「それいけ!アンパンマン」(日本テレビ系)で国民的キャラクターとなった。空腹で困っている人に「自分の顔を食べさせる」という前代未聞のヒーローだ。
初回の冒頭、ナレーションの林田理沙アナウンサーが言う。「これから始まるのは世界一弱くて世界一カッコ悪いヒーロー、アンパンマンを生み出した夫婦の物語」だと。
漫画家の水木しげる夫妻をモデルにした朝ドラ「ゲゲゲの女房」がそうだったように、これは2人が主人公のドラマだという明快な宣言だった。
脚本は「花子とアン」などの中園ミホ。実在の人物たちの実人生を踏まえながら、巧みな設定を施している。やなせたかしが妻となる小松暢と出会ったのは27歳の時。職場の高知新聞社だった。
しかしドラマでは小学校の同級生となっている。いわば幼なじみだ。ドラマの序章で柳井嵩(木村優来)と朝田のぶ(永瀬ゆずな)の少年少女時代を同時に描くことによって、その絆の強さをしっかりと印象づけたのだ。
そして今後、今田美桜と北村匠海が本格的に登場する。見る者を元気にする「愛と勇気の物語」を期待したい。