学校で「親父が座布団10枚取ってから言え」とバカにされ…
大喜利の中で木久扇は、当初から「おバカキャラ」を前面に出していた。私としては、大喜利メンバーの中で最もインテリで頭脳明晰だと思っているが、視聴者には「いつもとぼけた答えをする人」としか映らない。そういう父親を持つ息子はどう感じていたのか。木久蔵に聞いてみた。
「幼稚園、小学校低学年までは、テレビに出ている人が父親ということで一目置かれてました。それが高学年になった頃からバカにされ始めるんです。『おまえのお父さん、いつもくだらない答えばっかりしてるな』って。多感な中学の時が一番つらかったですね。月曜日に学校へ行くと、前日の笑点を見た同級生に必ずちゃかされる。言い返すと、『親父が座布団10枚取ってから言えよ』って言われる。家に帰って、『お父さん、お願いだから座布団10枚取ってよ』と頼みましたもの」
父親の答えはどうだったか。
「『ごめん、それはできない』って。その時初めて、父親にもできないことがあるんだと知りました」
その後、木久蔵こと豊田宏寿少年は玉川大学文学部に進学し演劇を専攻する。在学中に落語家を志望するのだが、そのきっかけを木久扇が語る。