父・木久蔵が好きな言葉は「入金」嫌いな言葉は「税金」
林家木久扇、木久蔵のように親子ともども現役として活躍しているのは落語界でも珍しい。年頭にあたり、この親子師弟にご登場願った。当欄初の同時インタビューである。
木久扇は2014年に喉頭がんに侵されたが放射線治療で治した。商売道具の喉の病気なので案じられる。まずは近況を伺った。
「おかげさまで声はよく出ています。第1部のトリは午前中なので、昼間のほうが調子がいいのです」
1976年に腸閉塞、2000年には胃がんの手術を受けて完治。そして、喉頭がんも克服した。まさに不死身の男である。
「病気するたび収入が増えてるんです。胃がんが治った時なんかインタビューが85件、講演なんかもあって儲かっちゃった」
転んでもただでは起きぬ。すかさず木久蔵が口を挟む。
「なにせ父の一番好きな言葉は『入金』ですから。写真を撮る時に『チーズ』と言う代わりに『入金』って言うくらい。昨年三鷹市長と対談した時にも撮影の際に『入金』って言ったら、市長が『税金』と返したんです。とたんに笑顔が消えて不機嫌な顔になりました(笑い)」