ロッキー世代が感涙 映画「クリード 炎の宿敵」なぜ泣ける
ドラゴ役のドルフ・ラングレンはもちろん、その妻役のブリジット・ニールセンなど当時のキャストが再集結。ドラゴの息子を演じるフロリアン・ムンテアヌはルーマニアのボクサーだが本作に大抜擢され、アドニス役マイケル・B・ジョーダンと共に撮影前のトレーニングに挑み、プロボクサー並みの肉体と動きを2人でつくり上げた。
「アポロとドラゴの息子対決とは熱い設定ですが、単なるかたき討ちのシナリオにせず、『4』の後に敗北者として祖国で塗炭の苦しみをなめたドラゴ父子のドラマも公平に描いた点が素晴らしい。加えてアドニスの妻の出産や、ロッキーの疎遠になった息子との物語も複合的に描くなど、親子愛のテーマが土台にある。ロッキーはスタローンの人生そのものとよく言われますが、実は『クリード』シリーズはそれ以上。というのも、前作の製作直前にスタローンは長男セイジを36歳で亡くしており、その苦しみと贖罪の気持ちを投影したと見ることもできるのです。そのあたりを念頭に本作のラストシーンを見ると、涙が止まらなくなります」(前田氏)
現在72歳のシルベスター・スタローンは、第1作でロッキーを鍛えた名トレーナー、ミッキーの年齢をすでに超えている。本作でロッキー役を引退すると公言している彼の、リングサイドでの最後の勇姿となるか。