元ボクシング王者・山口圭司は映画に憧れバーのマスターに
年末のプロボクシング世界戦が熱い。4階級制覇を目指す井岡一翔の大みそか決戦をはじめ、30日と31日の両日で6試合も予定されている。1990年代も辰吉丈一郎や鬼塚勝也、川島郭志、畑山隆則らがしのぎを削ったが、もうひとり、忘れられないのが軽快なフットワークのテクニシャンでWBA世界ライトフライ級王座に君臨した山口圭司さん(44)だ。さて、今どうしているのか?
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「いらっしゃい。奥へどうぞ」
大阪・北区。JR大阪環状線・天満駅すぐそばの飲食店ビルの2階にあるバー「函館BARハメド」へ行くと、エプロン姿の山口圭司さんに迎えられた。
山口さんは、バーのマスターに転身していた。メガネをかけてややふっくらしているせいか、別人のようだ。
「引退したのが16年前ですし、井岡弘樹ジムのトレーナーを辞めて2年4カ月たちますからね。少し運動はしてますけど、こればかりは。ハハハ」
オープンしたのは16年11月22日。その21年前のこの日、ホセ・ボニージャ(ベネズエラ)が保持していたWBA世界フライ級王座に挑んだが、惜しくもTKO負けを喫した因縁の日だ。