「やくざの墓場 くちなしの花」極道と警官が癒着するワケ
1976年 深作欣二監督
警察と暴力団の癒着を描く。国立映画アーカイブ(京橋)で開催中の「映画監督 深作欣二」で5月3、16日に上映される。「県警対組織暴力」(75年)の姉妹編のような内容だ。
関西の大都市。巨大組織の山城組とミナミを地盤とする西田組が対立する中、刑事の黒岩(渡哲也)は西田組の捜査を担当している。警察は署長までが両組織から接待と金品を受けて癒着。黒岩はおとり捜査で西田組の下っ端をパクり、署長の指示で同組との手打ちの宴(うたげ)に呼ばれる。癒着を拒絶する黒岩は賄賂を突き返して席を立つ。そこに組顧問の岩田(梅宮辰夫)が現れ、黒岩を鉄拳で一撃。
まもなく黒岩は西田組の金庫番の啓子(梶芽衣子)と深い仲に。西田組と他組織の結縁パーティーに出席した黒岩は岩田と大喧嘩するが、岩田から「俺は朝鮮人だが、義兄弟になって欲しい」と頼まれ、固めの杯を交わす。しかし警察上層部と結託した山城組の巻き返しで岩田とともに追い詰められるのだった……。
退職した副捜査本部長が暴力団の金融会社社長におさまり、警察本部に影響力を行使。対立組織の壊滅を画策する。救いようのない状況下で黒岩はワルどもに捕まり、シャブ中に追い込まれる。