大江千里さんの“最後の晩餐”は他界した父と飲んだビール
大江千里さん(シンガー・ソングライター・ジャズピアニスト・59歳)
80年代からシンガー・ソングライターとして活躍し、現在はジャズピアニストとしてニューヨークを拠点に活動する大江千里さん。4日に渡米から12年、6枚目となるアルバム「Hmmm」をリリースしたが、他界したばかりの父を思いながら考えたことは……。
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最後の晩餐は何かと考えてみても、何も浮かばないですね。その日の午前中に何を食べたかにもよるし、午後になって胃袋と相談して一番食べたいものを決めるんじゃないかな。メキシコ料理のモーレとか、バジリコを絡めたトマトソースの冷製パスタとか、ヨシギュウの牛皿別とかになるかもしれない(笑い)。
今年5月に父が亡くなったのですが、病床の父との最後の晩餐はボクにとっては忘れられないものになりました。亡くなる4日前、東京のブルーノートでライブがあったので、なんとかしゃべれるオヤジと会って、レコーディングのためにニューヨークに帰ったのですが、ふとデルタ航空に電話して、東京行きのチケットが取れるか電話したら「1席だけある」というので、2日間だけすぐに帰国しました。