“加藤の乱”鎮圧で吉本完勝も 専属エージェントに潜む火種

公開日: 更新日:

 これで本当に収束なのか。お笑いコンビ・極楽とんぼの加藤浩次(50)が、今月1日付で所属する吉本興業と「専属エージェント契約」を締結したことが報じられた。

 加藤はすでに、吉本との「共同確認書」へのサインも済ませており、その上で「専属マネジメント契約」か「専属エージェント契約」かを選べるようにすると吉本側は説明していた。加藤は「僕は吉本というエージェントを通して吉本の仕事をする。他の仕事は他のエージェントを通してやる。これを大崎(洋)会長はOKしてくれた」とラジオ番組で話していた。

 闇営業問題で「現経営陣が代わらなかったら、僕は会社を辞める」と「スッキリ」(日本テレビ系)で拳を振り上げた“加藤の乱”はこれにて一件落着となったのか。著書「芸能人はなぜ干されるのか?」で、アメリカのエージェンシー制度について詳解しているジャーナリストの星野陽平氏は、「契約内容を見たわけではないので、詳細は分かりませんが」とした上でこう話す。

「ネガティブに考えると、アメリカのようにエージェントの行動を厳しく規制する法律があるわけではなく、タレントの労働組合が結成されていない中でのエージェント契約では、どこまで正しく機能するかは疑問です。しかし、契約書もなかった段階から『エージェント契約』という方法を彼が提案し、実現したことは一歩前進だと思います。公正取引委員会がこうした問題に監視を強めており、SNSが普及したことで、視聴者からの監視も強まっているので、議論が進むのはいいことだと思います」

■造反芸人は粛清

 しかし、日本の独禁法にあたる「反トラスト法」によって、“エージェント(契約)業務”と、“プロダクション(制作)業務”の兼務が禁じられている米国と違って、日本のプロダクションはそれを兼務しているので、依然として芸能プロの立場は強いという。

「特に吉本興業は劇場や番組制作などを幅広く手がけているので、業界支配力は強い」(星野氏)

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動