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井上トシユキITジャーナリスト

1964年、京都市生まれ。同志社大学文学部卒業後、会社員を経て、98年からジャーナリスト、ライター。IT、ネット、投資、科学技術、芸能など幅広い分野で各種メディアへの寄稿、出演多数。

“ネット恫喝”で活動自粛中 木下優樹菜が見誤った2つのこと

公開日: 更新日:

 姉が開いたとしていたタピオカ店でのトラブルで、相手を脅して炎上してしまった木下優樹菜。謝罪文を公開するも、かえってバッシングの燃料となり、炎上が長引いてしまう。実際に聞いてみると、ほとんどが自分本位なモンスターカスタマーに対するのと同じような、生理的な嫌悪感を木下に抱いていた。

 すでに、憂さ晴らしのために叩く手合いが炎上に加わっているうえ、多くの人に生理的な嫌悪感を与えてしまったとなると、もはや沈静化は困難。ネットでは、「二度と顔も見たくない」と強い調子で「絶縁宣言」を書き込む向きも出るほどで、こうなると手のつけようもない。

 炎上騒動からほぼ1カ月後、木下は芸能活動の自粛を発表した。姉のためと思ったちょっとした書き込みがもとで、ここまでの騒動になるとは考えてもいなかっただろう。

 木下サイドが見誤ったポイントは、大きく2つあるのではないか。ひとつは、トラブル後の交渉事を軽視していたことだ。

 俗に「掛け合い」とも言うように、仕事上のトラブルの後で利益確保のために互いにマウンティングを争う際には、丁々発止でギリギリのやりとりを積み重ねなければならない。そして、微妙な差や一瞬の隙をついて総ざらえしたり、そうはさせじと何とか痛み分けに持っていく。事故や事件の後で保険会社からやってくる「交渉人」のように、その道のプロが存在する場面なのだ。地元のヤンチャ坊主が上から目線で後輩に対してマウンティングを取りにいくのとはワケが違う。

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