TBS系「義母と娘のブルース」綾瀬はるかという女優の人徳
連ドラ「義母と娘のブルース」の放送は一昨年の夏だったから、綾瀬はるか演じる義母、宮本亜希子に会うのも久しぶりだ。
第一の感想は「変わってないなあ」である。家でも外でもビジネスウーマンの姿勢を崩さない。何事にも戦略的に取り組むバイタリティー。そして他者の気持ちを思いやる優しさも、まったく変わっていない。
見る側に「元気でいてくれてよかった」と思わせるのは、亜希子のキャラクターもさることながら、綾瀬はるかという女優の人徳みたいなものだろう。昨年の「紅白歌合戦」もそうだが、この人は何事にも一生懸命だ。
今回のストーリーは、「捨て子騒動」と「子育て支援ビジネス」を軸とした、割とシンプルなものだった。随所に登場する、亡くなった夫にそっくりの男(竹野内豊)も、大きく筋にからんできたわけではない。もしも次回や今後があるなら、その時に使える駒として提示したような感じだ。
見る側は、また少し成長した娘(上白石萌歌)や、パン屋の店長(佐藤健)や、面倒見のいい不動産屋(麻生祐未)といった面々と亜希子が繰り広げる「ぎぼむすワールド」が楽しめれば十分なのだ。こういうチカラの入り過ぎない「復活」は大歓迎である。天才的な演技を見せた赤ちゃんの貢献もあり、あらためて親子や家族とは何だろうと思いをめぐらせることができた。