そして志村けんの偉大さは我々落語家に落語の面白さを再発見させてくれることです。「長屋の花見」という噺を稽古しているとき、ふと、いかりや長介の大家さん、加トちゃん志村けんの八っつぁん熊さん、高木ブーの与太郎が映像で頭に入ってきたときがありました。笑いの方程式はいつの時代も変わらない。若い頃にベタな予定調和をバカにしてましたが、プロになって笑わせる側にまわったとき改めて志村けんの偉大さに気がつくんですね。
わかってて笑わせる笑いって落語もそうですが、「間」がとても大事で、それができるかできないかが一流二流の違いなわけで……。追悼番組を見ながらしみじみ一流の「間」を楽しんでます。