「ドローン・オブ・ウォー」通勤型戦闘員が抱える苦悩

公開日: 更新日:

ドローン・オブ・ウォー(2014年 アンドリュー・ニコル監督)

 原題は「Good Kill」で、劇中では「一掃した」の意味。無人攻撃機を描いているため、この邦題にしたのだろう。米国にいながらアフガニスタンの上空を飛ぶ攻撃機を操縦する将校の物語。事実を基にしている。ハリウッドが中東を舞台に製作した戦争映画は米国を正義派に見立てた作品が多いが、本作はがらりと趣が異なる。

 米国空軍の少佐トミー・イーガン(イーサン・ホーク)はラスベガスにある基地のコンテナが職場。アフガンの無人攻撃機を操縦し、タリバンの幹部らをアジトごとミサイルで瞬殺するのが任務だ。自宅からクルマで通勤している。トミーはもとはジェット戦闘機のパイロットで、実機の任務に戻りたがっているが要望をかなえてもらえない。

 そんな中、CIAによるアルカイダ攻撃の極秘任務を命じられる。CIAはろくに確認もせず、怪しいと思える施設を次々と攻撃するよう指示。救出のために集まった民間人に第2攻撃を加え、山小屋を農夫ごと吹っ飛ばす。まるで虐殺だ。トミーは妻モリー(ジャニュアリー・ジョーンズ)に任務の内容を打ち明けることができずに悩み、精神的に追い詰められるのだった……。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    「かなり時代錯誤な」と発言したフジ渡辺和洋アナに「どの口が!」の声 コンパニオンと職場で“ゲス不倫”の過去

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    「よしもと中堅芸人」がオンカジ書類送検で大量離脱…“一番もったいない”と関係者が嘆く芸人は?

  1. 6

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 7

    入場まで2時間待ち!大阪万博テストランを視察した地元市議が惨状訴える…協会はメディア取材認めず

  3. 8

    米国で国産米が5キロ3000円で売られているナゾ…備蓄米放出後も店頭在庫は枯渇状態なのに

  4. 9

    うつ病で参議員を3カ月で辞職…水道橋博士さんが語るノンビリ銭湯生活と政治への関心

  5. 10

    巨人本拠地3連敗の裏に「頭脳流出」…投手陣が不安視していた開幕前からの懸念が現実に