上沼恵美子は「そうそう」と笑顔の次の瞬間「黙っとれ!」
レギュラー番組が全て高視聴率の“西の女帝”。NHK紅白にも出演し、「M―1グランプリ」審査員としても欠かせない重鎮、上沼恵美子さん。今も人気のABCラジオ「上沼恵美子のこころ晴天」の構成を90年代に1年だけ担当させていただきました。
「海原千里・万里」デビュー当時から上沼さんをテレビで見ていた私としては憧れの存在。そんな方のラジオに付いてみて、圧倒的な“アドリブ”に驚愕し「この人はやっぱり天才やな」と改めて納得しました。
当時はSNSなどなく、番組冒頭で「今日のテーマ」(「最近驚いたことは?」「ご近所困ったさん」等々)を発表して、リスナーから電話をもらい、10人の女子大生アルバイトオペレーターがメモに起こし、私がリライトして渡すと、あとは上沼さんが料理するという形でした。構成作家として現場に入っているときはモニターで放送を見聞きしながら、次の展開や言葉を自分で予想しているので、笑うことはまずないのですが、上沼さんのトークは毎回思わず噴き出してしまう。予想される展開よりも一呼吸も二呼吸も早くボケを持ってくる、オチをつけるのです。