上沼恵美子は「そうそう」と笑顔の次の瞬間「黙っとれ!」
新婚の女性タレントが出演すると、お祝いの言葉となれ初めを聞くのが普通。
それが上沼さんは「おめでとうございます。他に(相手は)おらんかったんですか?」とか「いつ別れるんですか?」といきなりボケを放り込んでくる。
意表を突かれた相手が絶句したり、思わず噴き出したりしてしまう。共演者が何か言うと、「そうそう」と笑顔で乗りながら次の瞬間「黙っとれ!」と強烈にツッコミを入れる。すべてを自分の手のひらにのせて自由自在に転がしてしまう。
天性の卓越したセンスはもちろんですが、このテクニックの基本は漫才コンビ、千里・万里時代に養われたものではないかと思っています。漫才は短時間で笑いをとるためにセリフを削り込んで、これ以上削ると意味が通じないところまで無駄を排していく「芸」です。上沼さんは出演者全員を「相方」にして、ある時はボケ、ある時はツッコむという「集団漫才」を演じられているのではないでしょうか。
上沼恵美子漫才! いやいや万歳! です。