日本のテレビ局は黒人差別問題にずっと無神経だった
「あれは他人事じゃないよ」とテレビ関係者は青くなった。NHK総合の報道番組「これでわかった!世界のいま」(日曜午後6時5分)で放送したCGアニメが、「黒人への偏見・差別を助長している」と厳しく批判され、NHKは謝罪してホームページからも削除した。ムキムキの黒人男性が、乱暴な口調で「貧しさ」への怒りをぶつける映像なのだが、黒人は粗野で暴力的という誤ったイメージを広げているとして、駐日アメリカ臨時代理大使は「侮辱的で無神経」とツイッターで抗議し、海外メディアも「公共放送が非常識なカリカチュア」と報じた。
しかし、黒人を笑いのネタにしたり、無神経にいじったりするのは、民放のバラエティーなどはもっとひどい。2017年の大みそかに、浜田雅功が黒塗りメークでエディ・マーフィの物まねをして顰蹙を買った。さすがに、そういう低俗なお笑いは少なくなったが、情報番組でも、黒人をステレオタイプに描くことは少なくない。
「ニューヨークの街角のインタビューでは、黒人の吹き替えは、ドスを利かせた“俺は××じゃねえよ”とか、キンキン声の“~なんてしないわよオ”とか、品がなく演出されます。一方、やり手ビジネスマンとして登場するのは必ず白人で、字幕も“ですます”です。日本のテレビ番組では、それが黒人ぽい、白人らしいということになっているわけで、差別している意識はないのでしょうが、これからは国際社会で問題になります」(国際ジャーナリスト)