暑苦しくて密がいい!目が離せない現代歌舞伎「半沢直樹」
始まりましたね。ドラマ「半沢直樹」。
いやあ、もうなんだろう。とにかく悪いヤツは徹底的に悪く、善いヤツはひたすらカッコよく感動的に、「くさい」とか「過剰演技」とか、もうそういうことを超えて、このシリーズは今や様式美ともいえる世界を完全に構築したのではないだろうか。
「アップにつぐアップ」「役者の顔芸大会」「必ず裏切り者がいて後半にバーンと登場」「広すぎる社長室や会議室」
お約束の展開が「いよっ! 待ってました!」と声を掛けたくなるぐらい気持ちよくハマる。「倍返しだ!」は「水戸黄門」の印籠。「思わぬ裏切り者」は「24」。この2つを足したような、これはもう現代の歌舞伎なのではないか。
■これは「演劇怪獣大戦争」
そもそも「因縁」と「復讐劇」は歌舞伎の十八番だしね。たしかに出演者は歌舞伎界から4人も。そして劇団☆新感線のいのうえ歌舞伎の古田新太。
さらに私がうれしいキャスティングは小悪党の諸田を演じる池田成志。お得意の眼技はもうポスト仲代達矢か。目の血管が赤いのは昨夜の酒のせいかと思ったらさにあらず。他の出演者もみな赤い。これはひょっとしてメークなのか。