サザン元メンバーが明かす シャイな桑田に代わって僕が…
下北沢ロフトや荻窪ロフトで数人の観客の前で演奏していたサザンオールスターズは、瞬く間に国民的人気バンドに成長した。シモキタ・ロフトのバイトにしてサザンのギタリストだったター坊(大森隆志=2001年に脱退)へのインタビューは続く――。
◇ ◇ ◇
平野「ナベプロ時代にキャンディーズらを育てた大里洋吉さんの目に留まり、独立して(1977年に事務所)アミューズの社長となった大里さんは<ロックはこうあるべき>という固定観念にとらわれず、歌謡曲を売り出す手法と同じことをサザンにもやった。あの柔軟な発想は、ロック思想に凝り固まっていたオレたちには無理だった」
大森「大里さんは人気歌番組『ザ・ベストテン』に出演できるように働きかけてくれ、中継先が新宿ロフトだった。あの番組に出た(1978年8月31日)ことが、サザンのターニングポイントになりました。ちなみに反体制のロックが看板のロフトは、『テレビの生中継なんて似つかわしくない』ということで最初は中継を断ったみたい」