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二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

婚約破棄に自殺未遂騒動に激ヤセ…宮沢りえの窮地は続いた

公開日: 更新日:

■「コップが割れて左手首を切った」と言うが…

 取材にはすっきり終わるものもあれば、りえの破談のようにモヤモヤしたまま閉じるケースもある。自殺未遂騒動もしかり。写真集を機に順調に芸能活動をしていたりえが再びメディアの標的になったのは94年9月のこと。舞台は京都。撮影で滞在していたホテルで自殺未遂騒動が起きた。

 宮沢側の説明によれば、「泥酔して戻った際、バスルームの洗面台のコップが割れて左手首を切った」と事故だったと説明。だが、歌舞伎公演で京都に滞在していた中村勘九郎(後の故・勘三郎)と飲んでいたことが判明。不倫の末の自殺未遂かと大騒ぎになった。勘九郎は激怒。すぐさま「冗談じゃない」と否定した。

 ちなみに、歌舞伎界はスキャンダルでも本人の口から話すのが伝統的。勘九郎は先駆者的な存在だった。歌舞伎関係者によると、「歌舞伎の世界は贔屓筋を大切にする。本人の口からメディアを通じて贔屓筋に説明をしている」という。

 密室の出来事を疑ったらキリがないが、不自然さは残った。ホテルのバスルームで簡単にコップは割れるのだろうかという素朴な疑問が湧き、同じホテルに宿泊して検証した。バスルームの床は薄いカーペットを敷き詰めてあり、コップを誤って落としても割れることはない。割るには洗面台に強く叩きつけるしかないと思ったが、どうしたらコップが割れて手首を切るのか釈然とはしなかった。やはりモヤモヤ感は残ったまま幕引きとなった。

 すると今度は「りえが拒食症で激ヤセ」という報道が相次いだ。女性が自分の身に置いて考える体形やダイエットは女性誌の格好のネタ。各誌は証言と写真(痩せているように見える)で報道。激ヤセは女優業に影響をもたらす。りえのピンチは続いた。

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