天竺鼠の瀬下君に睨まれて…奇想天外“天竺ワールド”の原点
これも後々知ったことですが、鹿児島県内の違う高校ながら野球部のつながりで意気投合、お笑いを目指してコンビを組むことにした2人は、NSC入学前に1年間はいろいろな経験をしようということで、川原君は地元での大工修業や大阪に出てきて会社員をやり、瀬下君は東京のホストクラブで毎日舞台に上がってなにかしらのパフォーマンスをしながらお金を貯めて、それぞれが仕事の合間に大小さまざまなお笑い劇場やイベントに足を運び、東京と大阪のお笑い事情・情報を持ち寄り話し合った結果「俺たちは大阪のNSCに行こう」という判断を下して入学したのでした。入学してからバイトをしなくてもいいように軍資金を貯めてから入ってくる生徒はいますが、ここまで綿密な計画を立ててそれを実行してNSCに来た生徒は極めて珍しいと思います。おそらく天竺鼠だけではないでしょうか。あの奇想天外な荒唐無稽な芸風からは想像できない、大人の考えと覚悟を持っていた話を聞いた時には「そこまで考えて来てたんか……」と正直驚かされました。
入学以来、さまざまな形のコントや漫才を披露してくれていますが、一貫してブレない姿勢はますます独自の“天竺ワールド”を濃いものにさせていくでしょう。