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井筒和幸映画監督

1952年12月13日、奈良県出身。県立奈良高校在学中から映画製作を始める。75年にピンク映画で監督デビューを果たし、「岸和田少年愚連隊」(96年)と「パッチギ!」(04年)では「ブルーリボン最優秀作品賞」を受賞。歯に衣着せぬ物言いがバラエティ番組でも人気を博し、現在は週刊誌やラジオでご意見番としても活躍中。

バイデンさん、ほんまに頼んまっせ 壊れたものを取り戻せ

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 南部ミシシッピ州の“差別”と“分断”の恥部が目に焼き付いているのは高1の時に見た「夜の大捜査線」(1967年)だが、89年に見た「ミシシッピー・バーニング」も印象的だ。この舞台も同州で公民権法制定前の64年、公民権活動家3人が暗殺された事件を基に描かれていた。名優ジーン・ハックマン(代表作「フレンチ・コネクション」)とウィレム・デフォー(代表作「プラトーン」)が扮するFBIコンビが捜査に行く町では公然と人種差別があり、KKKや保安官までが2人に捜査妨害、司法省も捜査をなかなかしなかったとか。去年春に見た「グリーンブック」も“分断”を生き抜いた感動作だ。これも史実でアフリカ系のクラシックピアニストとその運転手兼用心棒に雇われたイタリア系白人が南部を回るツアーに出るが、ホテルもレストランもトイレもバスもどこも黒人用と白人用に分かれる悪法が立ち塞がる中、友情を育んだ良い話だ。こんな映画があと何百本作られたら、この国に普通の平和が見えるのか。CNNニュース日本語版で世紀の選挙戦を一日中見ていて、つくづく思ったよ。バイデンさん、頼んまっさ。

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