牧原俊幸さん すべてをコンパクト化…70歳までに断捨離を

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 フジテレビ退社後もフリーアナとして活躍中で、マジックのネタで寄席に登場して話題にもなった牧原俊幸さん。段ボール20箱分集めた落語のビデオやDVD、またはマジックの道具が家にあふれるマニアで、死ぬまでにやりたいことは単純に断捨離? しかし、何もかも捨てるわけではなくコンパクト化するという独自の断捨離法。死ぬまでに終わらせることはできるのか……。

 ◇  ◇  ◇

 集めた物は最盛期で段ボール20箱はあったと思います。おもに3種類ありまして1つは落語。小学生の頃からラジオとテレビからとったカセットテープと、アナウンサーになった40年前から集めたVHSのビデオテープ。

 2つ目は小学生で始めた手品に関する本と道具。3つ目は40年前のデビューから録画してきた、僕が出ている番組のビデオテープ。自分でもとりためていましたが、北海道の母が、僕がナレーションした声のみ出演の番組も含め、ほとんどとってくれて、今僕の家にあります。一時期はしまい切れず、トランクルームを借りていたくらい。

 数年前から少しずつDVDなどに収めてきて定年退職した3年前からは暇を見つけては、ダビングしてビデオを捨てる“断捨離”ライフを送ってます。
■円生、枝雀、談志の貴重な資料

 例えば、落語のカセットは北海道時代に600本あって、カセットテープが流通しなくなった時代にすべてをMDにダビングし、かなりコンパクトにしました。でも、MDも流通しなくなったから今はハードディスクに音源を移してます。

 このところはビデオの映像をDVDに移す作業をしていて、DVD1000枚くらいになると思いますが、持ち歩けるCDケースに入れると場所をとらない! 僕は好きな落語を集めるコレクターでもありましたから、音源や映像の物量を減らすだけじゃなく、コンパクト化して残す断捨離なんです。

 同時に、何が録画されてあったのか、番組名も「落語特選会」とか「日本の話芸」とチェック。「笑点」も大喜利の前の演芸コーナーを一時期ずっととってました。三遊亭円生師匠や桂枝雀師匠や立川談志師匠……。今見るとすごい芸だし、貴重な映像。ダビングして見直しながらリストを作成する作業が楽しい。片づけようとしないと、見る機会がもうないですからね。

■夜寝る時に再生、夜中に目覚めるとダビングが終了している

 1本に3倍録画で6時間の番組が入ってるビデオが多いから、最近は夜寝る時に再生を始めて夜中に目覚めるとダビングが終わっている作業の繰り返し。どんどんビデオを捨てられて、肩の荷がおりる思いです。

「演芸をDVDにしたら欲しい」という知り合いもいますが、番組を録画したものはあくまで個人で楽しむものですから、おおっぴらにはできかねます(笑い)。

 でも、定年前に自分の出演番組を整理していた時、私がマジックをやってる番組が出てきて、アシスタントを演じていた後輩アナの西山喜久恵さんと今アナウンス室室長の佐藤里佳さんに、DVDにダビングして記念にさしあげました(笑い)。出演番組は他のアナウンサーより録画して残してきたと思います。「美味しんぼ倶楽部」「カノッサの屈辱」とか古かったり、好きだった番組もダビングで残して「こんな番組にも出てたんだ!」と驚くこともあって楽しい。

 整理が大変なのはマジックの道具。子供の頃に買った物は多くないけど、上京後からはかなり買ったし、20代には5年ほどマジック教室に通い、そこでも毎回道具を買うのでどんどん増えて、衣装ケース10個分。今もベッドの枕元に10箱そのままあるんです。

使わない道具は人にあげたりヤフオクやメルカリで

 いつかまた人前でマジックをやりたいと思ってますので、とりあえず使わないネタの道具は人にあげたり、ヤフオクやメルカリで売ってます。古くて珍しい道具は意外にも売れますね。でも、マジック本は今も読むから古本屋に売りづらい。

 この断捨離は10年かけて70歳までを目標に、遅くとも死ぬまでにすべてをコンパクト化したい。VHSのデッキがどうにか持ちこたえているうちに(笑い)。でも、死んだら家族がすべて処分ですよね。

 近年、東京アマチュアマジシャンズクラブに所属したのですが、そこでは新年会にオークションで持ち寄った道具を売るんです。それと所属されてる長老の方が亡くなると、ご家族から遺品の道具を預かり、それをオークションにかけて、売り上げをご家族にお返しすることもあると聞いてます。マジックの道具って家族はどうすることもできないですから、いい制度だなと思います。

 だから、僕も10年かけて整理して、死んだあとに、落語なら落語好き、マジックの道具や本はマジック好きと共通の趣味のある人の元に渡ればいいのかもしれません。それとも、ダビングしながらすべてを見直し終えたら全部捨てる勇気が持てるのかな。

 これは多くの同年代が持っているかもしれませんが、子供の小さい頃の成長記録もたくさんある。絶対、残しておきたいけど、8ミリビデオテープなので困ってます(笑い)。

 (聞き手=松野大介)

▽まきはら・としゆき 1958年7月、北海道出身。フジテレビでアナウンサーを83年から2018年まで務めた後、フリーに。現在のレギュラーは「超逆境クイズバトル!!99人の壁」「四季彩キッチン」(ともにフジテレビ)、「ゴルフ3キングダム 女子№1チーム決定戦」(BS―TBS)など多数。

【連載】死ぬまでにやりたいこれだけのこと

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