著者のコラム一覧
児玉愛子韓国コラムニスト

韓流エンタメ誌、ガイドブックなどの企画、取材、執筆を行う韓国ウオッチャー。新聞や雑誌、Webサイトで韓国映画を紹介するほか、日韓関係についてのコラムを寄稿。Webマガジン「オトナの毎日」でイラストエッセー【毎日がエンタメ】を連載中。

発音のため子供の舌を整形手術…社会問題を招いた韓国「英語熱」の副反応

公開日: 更新日:

 学歴社会の韓国では英語熱も日本より高い。韓国で英語力が要求されるようになったのは1990年代、95年を“グローバル元年”と位置づけた金泳三(キム・ヨンサム)大統領は韓国企業の世界化を目指した。その2年後、今度はアジア通貨危機で韓国のウォンが暴落。財閥をはじめとする企業は、生き残りをかけて果敢に国際社会に乗り出すようになる。

 国を挙げたグローバル政策により、英語は小学3年から正式教科となり、ソウルの語学教室は児童・生徒であふれ返った。2008年になると英語教育のスタートは小学1年に繰り上げられた。今月9日から日本で公開される韓国映画「サムジンカンパニー1995」では、大企業で行われる英語クラスの様子が描かれている。韓国での原題は「サムジングループ英語TOEICクラス」だ。

 今でこそ女性の地位が飛躍的に向上した韓国だが、当時はまだ女性社員の肩身は狭かった。映画に登場するのは高卒の女性たち。入社8年目にもかかわらず昇進どころか雑用係のまま。安い賃金で必死に働いても、結婚して妊娠すればクビになる。しかも大卒の女性社員と違って、高卒の彼女たちは制服を着なければならない。そんな差別社会で昇進できる道はただひとつ、TOEICで600点以上を取ることだ。体よく女性社員を解雇するためのハードルだが、退職金は大卒社員の3分の1以下。高い英語力を身につけ、生き残るしかない――。女優主演の映画がヒットしづらい韓国で、コロナ禍に上映された本作は157万人もの観客を動員した。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    松本人志「事実無根」から一転、提訴取り下げの背景…黒塗りされた“大物タレント”を守るため?

  2. 2

    島田洋七が松本人志復帰説を一蹴…「視聴者は笑えない」「“天才”と周囲が持ち上げすぎ」と苦言

  3. 3

    人気作の続編「民王R」「トラベルナース」が明暗を分けたワケ…テレ朝の“続編戦略”は1勝1敗

  4. 4

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  5. 5

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  1. 6

    松本人志が文春訴訟取り下げで失った「大切なもの」…焦点は復帰時期や謝罪会見ではない

  2. 7

    窪田正孝の人気を食っちゃった? NHK「宙わたる教室」金髪の小林虎之介が《心に刺さる》ファン増殖中

  3. 8

    井上真央ようやくかなった松本潤への“結婚お断り”宣言 これまで否定できなかった苦しい胸中

  4. 9

    菊川怜が選んだのはトロフィーワイフより母親…離婚で玉の輿7年半にピリオド、芸能界に返り咲き

  5. 10

    福山雅治は自宅に帰らず…吹石一恵と「6月離婚説」の真偽

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇