<17>東京地裁立川支部の廊下で若い女性弁護士に突然土下座した
■女性弁護士は軽蔑の表情
「社長、向こうは30万円を求めているわけでしょ。借金残額は30万円だから行って来いじゃないですか。交通費もかけてこんなバカみたいな裁判をやるのは時間の無駄。向こうの言い分に乗って今日で終わらせたほうがいいじゃないですか」
一緒に立川に向かう電車で社長に進言した。
「そうですかね……」
社長から明確な返事は返ってこなかった。
立川支部に着き、2階の廊下の法廷前で長椅子に並んで座っていると、向こうから原告側の若い女性弁護士がやってきた。するとドン・ファンは廊下の中央で膝を折り、土下座を始めたのだから、私は仰天した。
「いろいろとご迷惑をおかけしまして……#$%&」
床に頭をこすりつけた社長の行状に、女性弁護士は軽蔑の表情を浮かべているように見えた。
「そんなことはなさらないで下さい」