三浦春馬さん遺作「映画 太陽の子」撮影秘話 最後までストイックを貫いた
天気、空模様、波の高さ、海の色……キャストやスタッフはワンチャンスを海岸で待ち続けたという。技術的にも、俳優としての緊張状態も、まさに極限状態で撮られたワンシーンだった。「本番行きまーす」の掛け声を待ちながら、海を眺める三浦さんの背中に胸を締め付けられる。
■カメラが回っていなくても京都弁を話し続けた三浦さん
映画関係者が現場で驚いたのは、カメラが回っていないところでも、三浦さんが普通に京都の方言を話していたことだったという。
京都弁は特徴的なイントネーションのある言葉で、これを苦手とする役者も少なくない。「撮影以外でも京都弁を話しておかないと自然な言葉使いはできない。完璧な役作りとは言えないから」と、ストイックに役作りに取り組む三浦さんの役者としての姿勢が見えてくるようだ。
可能性に溢れた未来の話がいっぱい出来たはずだったのに……この作品のプロモーションに三浦さんがいないことが残念でならない。
(芸能ジャーナリスト・芋澤貞雄)
※編集部注=広島弁は京都弁の誤りでした、修正します。(2021年8月7日 10時25分)