<33>早貴被告からの返答「どうして私が別れなければならないんですか」
2018年1月になって、マコやんから連絡が来た。野崎幸助さんの電話に早貴被告が出なくなったというのだ。
「いつものパターンやな。きっと社長から逃げたくなったんじゃないかな。社長が『吉田さんに聞いてくれないか』って言っているんで、なんとか確かめてもらえんやろうか? 忙しいところ申し訳ないけど、お願いします」
マコやんはアプリコの従業員である。社長に逆らうことはしない。
「分かりました。暇なときに電話しますから」
面倒くさいが、社長が可哀想なので何回か電話をした。やっと彼女とつながったのは、2日ぐらい後のことだったと思う。
「久しぶりだね。元気かい?」
「ええ……」
機嫌が悪そうな暗い声だった。お昼はとっくに過ぎていたが、もしかして寝起きだったのかもしれない。
■嫌でも続けようとする強い意志
「ドン・ファンの電話に出ないんだって? それでオレにキミのご機嫌うかがいをしてくれないか、と頼まれたんだよ。別れるの?」